九州一小さな町の、隠れ家レストランと家具屋。二つの顔を持つ「AJITO & SHOP VERO」の体温をWebサイトに宿すまで。| 福岡県吉富町 Webサイトリニューアル

福岡県吉富町。九州で一番小さなこの町に、知る人ぞ知る名店があります。
築年数を重ねた味わい深い古民家の扉を開けると、そこには二つの世界が広がっています。
絶品のハンバーグとパスタの香りが漂う洋食屋さん「レストラン AJITO」。
そして、ミッドセンチュリーの家具が美しく並ぶ家具セレクトショップ「SHOP VERO」。


今回、私はこの「食」と「住」が同居する不思議で温かい場所のWebサイトリニューアルを担当させていただきました。 期間は約半年。
撮影からライティング、デザイン、実装、そしてGoogleマップの復旧作業まで。
そのWebサイトが完成するまでの制作秘話をご紹介いたします。
1. 「おいしい」と「かっこいい」の間で
プロジェクトの始まりは、私自身がこのお店のファンになったことでした。


看板メニューのハンバーグランチ。
九州産の牛豚合い挽き肉のジューシーな食感、深みのあるデミグラスソース。
一口食べた瞬間に「あ、これは人に教えたい」と直感する味です。
しかし、お店には課題がありました。
「洋食屋さん」としての親しみやすさと、「本格輸入家具屋」としての洗練された世界観。
この異なる2つの業種が、Web上でどう表現すればいいのか整理できていなかったのです。
さらに、店舗は住宅街にひっそりと佇む古民家。

初めてのお客様からは「場所がわかりにくい」「どういうお店か外から見えにくい」という声があったとのこと。
オーナー「おしゃれすぎて敷居が高いと思われたくない。みんなで賑わう、親近感のある場所にしたいんです」
AJITOのオーナーからその言葉が、私の制作の指針になりました。
2. 二つの入り口、一つの空気感
企画段階で最も頭を悩ませたのは、「二つの顔をどう統合するか」です。
混ぜてしまえばそれぞれの良さが消える。分けすぎれば、同じ空間にある意味が伝わらない。
悩み抜いた末に出した答えは、トップページで「入り口を並列させる」ことでした。
左にはシズル感あふれる料理のAJITO、右には美しい家具のSHOP VERO。


映画のワンシーンのように二つの選択肢を提示し、訪れる人が直感的に選べる動線を設計しました。
デザインのトーンは、既存の店舗内装からヒントを得ました。


洋食屋特有の重厚さではなく、あえて「余白」を多用したスタイリッシュなデザイン。
けれど、冷たくならないように。
スクロールすると「ふわっ」とコンテンツが浮き上がるアニメーションを実装し、ご夫婦の人柄のような「温かみ」をデジタルの挙動に落とし込みました。
3. レンズ越しの「肉肉しさ」との戦い
「神は細部に宿る」と言いますが、今回のプロジェクトで最もこだわったのは「写真」です。
今回はカメラマンを入れず、私自身がカメラを握り、撮影を行いました。
特に苦労したのはステーキとハンバーグの表現です。
「もっと柔らかそうに? それとも上品に?」 試行錯誤する中で、奥様から頂いたフィードバックは明確でした。
「柔らかいというより、肉肉しい和牛の脂の旨味を味わってもらいたいんです」
その言葉を聞いて、照明の当て方もレタッチの方針も変わりました。




ただ綺麗な写真ではなく、肉の繊維や脂の照りが伝わる、食欲をダイレクトに刺激する「肉肉しい」写真へ。
半年間、何度もやり取りを重ね、家具の木目の質感と、料理のシズル感のトーンを合わせる作業は、まさに職人のような時間でした。
4. デザイナーの仕事は「作って終わり」じゃない
このプロジェクトで一番心に残っているのは、実はデザインをしている時間ではありません。
チャットツールで「困ったときの高橋くん」として頼っていただけた時間です。
リリース直前、Googleマップの管理権限が不明になり、店舗情報の更新ができなくなるトラブルが発生しました。



「高橋くん、なんかいらん事したかもしれん……」
と焦る奥様と一緒に、ログイン画面と格闘し、無事に権限を取り戻した夜。
Instagramのリール動画の作り方が分からないと聞けば、おすすめのアプリを伝え、翌日には「スマホでできて便利!目が痛いけど(笑)」と素敵な動画がアップされていたこと。



「高橋くんはちゃんと話聞いてくれるし、安心しておまかせできる」
制作の終盤、他愛のない会話の中で頂いたその言葉は、どんなデザインアワードよりも嬉しい勲章でした。
綺麗なコードを書くだけなら誰でもできる。
でも、クライアントの不安を取り除き、同じ目線で悩み、時には雑談で笑い合う。
その「信頼関係」こそが、良いWebサイトを作る土台なのだと改めて学びました。
5. Webサイトは「もう一人のスタッフ」
公開後、嬉しい変化が起きているそうです。
分かりにくかった店舗へのアクセスも、WebサイトとGoogleマップの連携でスムーズになり、「サイトを見て来ました」という新規のお客様が増えました。



Webサイトはお客様がじっくり検討する場所。
そこをしっかり作ることで、サイト自体が私たちの代わりの『営業担当』になってくれるんです
制作を終えた今、私はそう確信しています。
ただのスペック表ではなく、作り手の想いやお店の空気を翻訳して伝えるメディア。
これからも、AJITO & SHOP VEROという素敵なブランドが、Webサイトという「優秀なスタッフ」と共に、多くの人に愛され続けることを願ってやみません。
もし、吉富町にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
絶品のハンバーグと、素敵な家具、そして温かいご夫婦があなたを待っています。
制作の流れ
Webデザイン ガジュマルでは、ただ見栄えの良いマークを作るのではなく、お客様の事業の「想い」や「未来」を形にするプロセスを大切にしています。 基本的な制作フローは以下の通りです。


まずは、事業への想いやビジョン、解決したい課題をじっくりと聞いていきます。
「どんな人に届けたいか」「どんな未来を作りたいか」。
デザインの要素だけでなく、事業の根幹にある想いを共有させていただくことから、すべての制作は始まります。


ヒアリング内容をもとに、競合調査や市場のリサーチを行います。
そこから導き出されたキーワードを整理し、「誰に、どんな印象を与えたいか」というロゴのコンセプト(設計図)を固めます。
言語化できないイメージも、この段階で丁寧にすり合わせます。


コンセプトに基づき、手書きのラフスケッチからデジタルデータへの書き起こしを行います。
通常、異なるアプローチのデザイン案を複数パターン作成し、それぞれのデザインに込めた意図やストーリーと合わせてご提案いたします。


ご提案したデザインの中から方向性を決定し、さらに完成度を高めるための調整を行います。
「もう少し線を太く」「色味を調整したい」といったご要望はもちろん、印刷時の視認性や耐久性など、プロの視点での微調整(0.1mm単位のバランス調整)を重ね、理想の形へと磨き上げます。


完成したロゴデータ(ai / png / jpgなど)を納品いたします。
また、ロゴが正しく使われ、長く愛されるブランドとして育っていくよう、使用ルールや色の数値をまとめた「ロゴガイドライン(仕様書)」もあわせてお渡ししています。


九州一小さな町、福岡県吉富町にある隠れ家レストラン兼インテリアショップ「AJITO & SHOP VERO」さんをご紹介します。 ご夫婦で営まれており、古民家をリノベーションした店内は、美味しい香りと洗練された家具が同居する唯一無二の空間です。
特にAJITOさんの「ハンバーグランチ」は、和牛の脂の旨味と肉々しさがダイレクトに伝わる絶品!旦那様がセレクトするSHOP VEROのミッドセンチュリー家具も、眺めるだけでなく実際にオーダー可能です。 「おしゃれだけど、気取らず賑やかな場所にしたい」という想いの通り、とても居心地の良いお店ですので、ぜひお腹を空かせて遊びに行ってみてください✨
AJITO&SHOP VERO様へのお問い合わせはこちら


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項目 内容 業種・業界 飲食店&インテリアセレクトショップ 地域 福岡県吉富町 製作期間 6ヶ月 構築方法 Figma HTML CSS - プロジェクトに関わった人
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ディレクター 高橋政宏 デザイナー 高橋政宏 ライティング 高橋政宏
最後に
Webデザインガジュマルは、あなたのビジネスのパートナーとして二人三脚でサポートいたします。
「デザインのこと」「Webサイトのこと」「チラシのこと」「集客のこと」など、お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。
お話を聞いた上で、あなたにとって最善のご提案をさせていただきます。
あなたとお話しできる事を楽しみにお待ちしております。

